女性のライフステージに大きく影響を与える女性ホルモン。
その女性ホルモンを栄養源にして増殖する歯周病菌がいることをご存じでしょうか。
女性は歯周病のリスクが高い⁉
排卵日付近や月経前1週間~月経直前は、口腔内でも女性ホルモンが増加します。歯周病菌P.intermedia(プレボテラ・インターメディア)は、女性ホルモン(主に卵胞ホルモン)を栄養源にして増殖していくため、月経周期により歯肉に炎症が起こりやすくなります。
特に女性ホルモンの分泌が活発な20~40代は、月経前の時期にはセルフケアが徹底できると歯周病のリスク減につながります。
月経周期で歯周病リスクが増えるなら、閉経後は大丈夫?
実はそうでもないのです。
閉経後には女性ホルモンが欠乏し、免疫のシステムが変化することで歯肉に炎症が起きやすくなったり、骨を作り替える細胞である破骨細胞の働きが活発になるため歯を支える骨が脆くなり歯周病が悪化しやすくなったりと、違うリスクがともないます。
↓女性のライフステージごとのお口の環境変化↓
歯周病のリスクを減らす方法
女性ホルモンの分泌により歯周病菌が増殖してしまうのは女性であれば誰でも起こりうることですが、口腔内を清潔に保つことができれば歯周病のリスクを下げることは可能です。
毎日のセルフケアに加えて、歯科医院で定期的なプロフェッショナルケアを受けると口腔内のすみずみまで清潔な状態を維持しやすくなります。
セルフケアとプロフェッショナルケアを両立させて、健康で美しいお口を守っていけるといいですね。
参考文献
永石匡司・川本亜紀,月刊デンタルハイジーン,医歯薬出版株式会社,2023年,142-169頁
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