• 日本口腔保健協会

日本歯科衛生学会で「職域口腔保健活動における歯周病原菌検査の有用性の検討」について発表しました

日本歯科衛生学会第17回学術大会は、2022年9月18日~10月30日までWeb開催開催しています。

詳細は日本歯科衛生士会HPへ


演題「職域口腔保健活動における歯周病原菌検査の有用性の検討」の内容をご紹介します。

目的

職域口腔保健活動では、特に歯周病の発症予防、重症化予防を目標として、歯科健診と保健指導を実施しています。しかし、自覚症状が少ない等の理由で、歯科健診後の行動変容や受療行動が定着していないことが多くあります。

そこで、歯科健診後のセルフケアや受療行動へのモチベーションを高めるためのツールとして歯周病原菌検査を試み、その有用性について検討しました。


対象および方法

◆調査対象者

2021年の某事業所における職域口腔保健活動の参加者109名(男性58名、女性51名)としました。

◆調査項目・方法

1.歯周病原菌検査

バナペリオ(R)を用いて下顎第一大臼歯または第二大臼歯の舌側歯肉溝よりプローブを用いてプラークを採取し、5分培養後、歯周病原因菌(P.g、T.d、T.f菌)数によって「陽性」、「弱陽性」、「陰性」の3段階に判定しました。

2.問診による本人の聞き取り調査

①歯みがきで出血することはありますか

・なし ・時々 ・あり

②歯科医院で歯石除去をしたのはいつ頃ですか

・半年以内 ・1年以内 ・1年以上なし

③歯みがきは1日何回しますか

・1回 ・2回 ・3回以上


3.口腔清掃状態(歯垢・歯石沈着状態)

OHI評価により代表歯法を用いて6分画の最悪所見を記録し、平均数値を3段階に分類した


4.実施後アンケート

①今後、実行しようと思ったことはありますか

・歯科医院で治療する  ・歯のクリーニングを受ける

・歯みがき方法を見直す ・デンタルフロス、歯間ブラシを使う

・洗口液を使う     ・舌ブラシを使う

・舌トレーニングをする

②「歯周病原菌検査」は歯周病のリスクを知るうえで参考になりましたか

・はい ・わからない ・いいえ 



結果

歯周病原菌検査結果は、全体では、陽性者が11.0%、弱陽性者が35.8%、陰性者が53.2%で、約半数が陰性でした。

陰性者は「歯石除去が年1回以上の者」および「CI、DIの良好者」に多く、陽性者は「歯みがき時に出血ありの者」に多い結果でした。また、実施後のアンケートでは、「歯のクリーニングを受ける」が70%と最も多く、次いで「舌ブラシを使う」、「歯科医院で治療する」でした。










考察

職域口腔保健活動参加者における歯周病原菌検査の陰性者では、歯石除去を年1回以上受けている者およびDI、CI値の良好な者に多く、受療行動との関連がうかがわれました

実施後アンケートからは、歯のクリーニングを受ける、歯科医院で治療を受けるなど、

受療行動へのモチベーションにつながる意識の変化が認められました。

また、舌ブラシを使うなど、新たな歯口清掃法に関心を持つなどの変化が認められました。


結論

今回の調査結果から、職域口腔保健活動において、歯科健診時に併せて歯周病原菌検査を実施することは、その場で結果が可視化できることから、参加者へのインパクトがあり、歯科健診後の行動変容や受療行動のモチベーションアップに有用であることが示唆されました。


最後まで読んでいただきありがとうございました。


日本口腔保健協会では、よりよい健康行動変容へと導くための可視化できる検査等を導入し、歯科健診を実施しております。


歯周病原菌検査についてはコチラ